監査
強い会社をつくる内部監査(3/3回)
中小企業が内部監査を実施するときの障害 中小企業白書(2009 年版)に記載されている実態調査によれば、中小企業が考える自社の相対的な弱みと強みは下の表の通りです。
中小企業の弱み | 順位 | 中小企業の強み |
---|---|---|
規模の経済性を発揮できない | 1 | 経営者と社員、部門間の一体感や連帯感 |
商品・サービスの品揃えが弱い | 2 | 個別ニーズにきめ細かく応じる柔軟な対応力 |
必要資金の調達力が弱い | 3 | 経営における迅速かつ大胆な意思決定能力 |
設備の整備・活用力が弱い | 4 | 市場などの変化への迅速な対応・機動力 |
人材の育成・活用力が弱い | 5 | 独創的な技術・ノウハウ、事業モデル |
このように、中小企業は大企業に比べて一般的に経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)が乏しいことが、様々な弱みにつながっていることが分かります。弱みを認識しながらも、有効な改善策を打てていない会社も多いのではないかと思います。強みとして挙げられた項目においても、一定以上の規模の会社になれば、強みとして認識できないケースも考えられます。このような実態を踏まえても中小企業にこそ、『強い会社をつくる内部監査』が必要であることがお分かりいただけると思います。そこで、中小企業が内部監査を導入、あるいは実施する際に障害となることを以下にまとめます。
①経営者の意識
最大の障害は、経営者や経営層にいる人々が内部監査の本来の意義を正しく理解していないことです。会社が強くなるために、業務上の無駄や非効率を排除し、各部門が経営目標を達成するための支援を行うというコンサルティング機能も含んだ仕組みであるという正しい理解があれば、導入時、および実施段階においても『強い会社をつくる内部監査』がより実効性をもち、さらに大きな効果が得られるものとなります。
② 内部監査を担当する人材確保
もう一つの大きな障害は、だれが内部監査を実施するのかという問題です。 内部監査基準(※1)によれば、内部監査を担当する内部監査人における専門的能力を以下のように定義されています。
内部監査人は、その職責を果たすに十分な知識、技能およびその他の能力を個々人として有していなければならない。さらに内部監査人は、内部監査の遂行に必要な知識、技能およびその他の能力を継続的に研鑽し、それらの一層の向上を図ることにより、内部監査の質的維持・向上、ひいては内部監査に対する信頼性の確保を努めなければならない。
『十分な知識、技能およびその他の能力』とは、監査そのものに加え、様々な監査手法に対する専門的な知識、自社の展開する事業の性質や業務体系、使用している各種システムを深く理解していること、さらに、会計や税務、その他法令に関する知識などを指しています。
『強い会社をつくる内部監査』を実施する担当者として、このような能力のある人材を社内で確保することは容易ではありません。また、社内の人が内部監査人を担当する場合、中小企業の強みである「経営者と社員、部門間の一体感や連帯感」を損なう可能性も考えれます。さらに、社内の人が担当することで慣れ合いが生じ、指摘しづらい、チェックが甘くなるという内部監査の実効性を阻害するという懸念が生じます。
※1 一般社団法人日本内部監査協会『内部監査基準
OAGビジコムによる内部監査アウトソーシングサービス
OAGビジコムにおいては、現在までに様々な規模・業種のクライアント企業様の内部監査業務支援を行ってまいりました。どのようなクライアント企業様においても納得できる支援を行います!内部監査でお悩みの際は是非一度ご相談ください。